星 叶夢
星 叶夢(ほし かなむ)
ほしよみ堂大阪梅田店所属
わたしの赤ちゃんは、どんな顔?
さて、私は無事に女の子を出産しました。
ところが、産後の様子を誰も診に来ないのです。
個室で、しかも母子別室。
余計に孤独を感じていました。
雑誌には、産後は子宮の戻りを助けるために腹帯を巻くことや、入院時に必要な物として病院の案内にも書かれていました。
でも、その説明も処置もありません。
心配になり内線で尋ねると、
「大丈夫です。」
その一言だけでした。
仕方がないので、自分の知識だけを頼りに妊婦用のガードルを身につけました。
今振り返ると、本当にあれで良かったのかと思います。
あの時、「誰も診に来てくれません」と、もっと強く伝えていたら何かが違っていたのかもしれません。
でも、初めての出産だった私は、それが普通なのか、異常なのかさえ分かりませんでした。
それよりも、その時の私には、もっと気になっていたことがありました。
まだ、赤ちゃんの顔を見ていなかったのです。
産声も、「女の子ですよ。」という声もしっかり聞きました。
でも、産後の処置のため麻酔で眠らされました。
しかも私は、間が悪いことに二度も眠ることになったのです。
私の数分後に、別の妊婦さんが出産したそうです。
病室から分娩室へベッドで移動する途中だったそうですが、廊下で生まれてしまいそうな状況になり、とても大変だったと聞きました。
個人病院だったこともあり、手が足りていなかったのかもしれません。
この話は、後日、廊下でばったり会ったご本人から聞きました。
夫は事情も分からないまま、待合室で一時間以上待っていたそうです。
疲れ切った顔のまま、その日は会社へ向かいました。
そういえば……。
夫は、生まれたばかりの娘の顔を見たのでしょうか。
ドラマみたいに、ガラス越しで会えたのかな。
実は、そのことも、もう記憶が曖昧です。
でも、はっきり覚えていることがあります。
横並びに並んだ新生児の中で、娘は3200g。一番大きな赤ちゃんでした。
そして……
私には、不細工に見えたんです(笑)。
妹にそっくりだったから。
「なんで〜!」
そう思い、実家へ電話した時も、そのまま伝えたのです。
このことは、今でも実家で笑い話になります。
娘と妹は、
「さいて〜!」
が、お決まりの返しです(笑)。
出産後、兄弟姉妹が次々と病院へ来てくれました。
「姉ちゃん、どこが不細工なん? めちゃくちゃ可愛いやん!」
そう言いながら娘を抱っこして撮った一枚の写真があります。
その写真を見ると、親の私より何倍も嬉しそうな笑顔ばかり。
あの時の笑顔は、今でも娘に向けられています。
実家は、みんな子煩悩なんです。
初孫であり、初姪っ子でもある娘は、まさに我が家の女王様♡
今日は少し心が和むお話で終わろうと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また明日、お会いしましょう。
大阪梅田店 星 叶夢






