迷った経験を、誰かの一歩に変えたくて
私は、
苦労したから占い師になろうと
思ったわけではありません。
苦労を経験した人が、
必ず人の気持ちを理解できるとも思っていません。
それでも、
私が占い師を目指した理由をたどっていくと、
これまで迷い、
立ち止まり、
何度も人生を立て直してきた経験に行き着きます。
仕事のこと。
家族のこと。
人間関係のこと。
そして、自分自身の生き方のこと。
人生には、
努力すれば必ず報われるとは
言い切れない出来事があります。
真面目に生きていても、
突然大切なものを失うことがあります。
正しい道を選んだつもりでも、
後になって迷うことがあります。
私自身も、
「これから、どう生きればよいのだろう」
と、
自分の未来が見えなくなったことが
何度もありました。
そんなときに必要だったのは、
誰かに人生を決めてもらうことではありませんでした。
「あなたはこうなります」
と未来を断定されることでも
ありませんでした。
本当に必要だったのは、
自分の心の中にある思いを整理し、
もう一度、
自分で未来を選ぶためのきっかけでした。
占いは、
未来を決めつけるものではありません。
自分でも気づいていない本音を映し出し、
今いる場所を確かめ、
次にどの方向へ進むのかを考えるためのものです。
私は占いを学ぶ中で、
そのことに気づきました。
そして、
自分がこれまで経験してきたことも、
誰かの役に立つかもしれないと思うようになりました。
私は、
人生に迷った人を説得したいわけではありません。
無理に前向きにさせたいわけでもありません。
「もっと頑張りなさい」
と励ますだけの占い師にもなりたくありません。
相談に来られる方の中には、
すでに十分頑張っている人がたくさんいます。
誰にも言えない悩みを抱えながら、
毎日を懸命に生きている人もいます。
何を選んでも後悔しそうで、
動けなくなっている人もいます。
私も、
迷ったことがあります。
進みたくても
進めなかったことがあります。
誰かの何気ない言葉に傷つき、
反対に、
たった一言に救われたこともあります。
だから私は、
相談者の方に簡単な正解を
押しつけたくありません。
その人が何を恐れ、
何を守り、
本当はどう生きたいのか。
占いを通して、
一緒に見つめていきたいと思っています。
私が占い師を目指したのは、
未来を言い当てたいからではありません。
人生に迷った人が、
自分の気持ちを取り戻す時間をつくりたいからです。
誰にも理解されないと感じている人に、
「ここでは、あなたの話をしても大丈夫です」
と伝えられる存在になりたいからです。
そして、
相談者の方が鑑定を終えたあと、
「すべて解決したわけではないけれど、少し進めそうです」
と思える時間を届けたいからです。
これまでの人生で経験した苦労を、
よかったことにする必要はありません。
できることなら、
経験したくなかった出来事もあります。
失ったものが
戻ってくるわけでもありません。
それでも、
過去に感じた痛みが、
目の前の人を理解しようとする力に
変わることはあります。
迷った経験が、
誰かを急かさずに待つ力になることもあります。
立ち直れなかった時間が、
今、
立ち止まっている人に寄り添う力に
なることもあります。
私の苦労は、
占い師になるために
与えられたものではありません。
けれど、
経験してきたことを、
ただ苦しかっただけで終わらせたくないと思いました。
過去を変えることはできません。
しかし、
その経験をこれからどのように生かすのかは、
自分で選ぶことができます。
私は、
自分が歩いてきた人生を、
誰かの未来を照らすために使いたい。
迷ったときに立ち寄り、
気持ちを整理し、
もう一度自分の足で歩き出せる場所をつくりたい。
それが、
私が占い師を目指した理由です。
苦労は、
決して美しいものではありません。
それでも、
そこで得た痛みや気づきまで、
無駄にする必要はない。
私はこれまでの経験を、
相談者の方に寄り添う力へと変えながら、
未来を決めるのではなく、
未来を選ぶお手伝いができる占い師を目指しています。






