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あぐり

人を育てず、裁くだけの組織に絶望したとき ――風地観 五爻が示す「高い視座からの決断」

「個人の能力に頼っている組織に限界を感じています。AIなどの技術革新が進む中、個人の力量や資質ばかり問題にする組織のあり方についていけません。競争心を煽るような組織政策を敷いておきながら、嫉妬する人間は信頼されないというような評価を下します。人を育てることをせず人を区別し差別するだけの組織に絶望しか感じません。どうしたらいいでしょうか?」というご相談。易を立てたところ、風地観 五爻。

個人の能力に頼りきり、人を育てる仕組みを持たない組織には、やがて限界が訪れます。

優秀な人がいれば、その人に依存する。
結果が出なければ、個人の資質を責める。
競争心を煽るような制度をつくっておきながら、嫉妬や対立が生まれると、今度はそれを個人の未熟さとして裁く。

そのような組織にいると、人はだんだん疲れていきます。

なぜなら、そこには「人を育てるまなざし」がないからです。

易でこの問いに対して出た卦は、風地観 五爻でした。

風地観は、物事を高いところから観る卦です。
目の前の感情に巻き込まれるのではなく、組織全体の構造、そこに流れる思想、人の扱われ方を静かに見つめる卦です。

五爻は、その中でも高い視座を持つ位置です。

ここで易は、相談者にこう告げています。

あなたはもう、その組織の本質を見ています。
だからこそ、感情に任せて壊れるのではなく、自分の生き方を観なさい。

その組織は、人を育てようとしているのか。
それとも、区別し、序列をつけ、使える者だけを使おうとしているのか。

その場所に居続けることで、自分の心は澄んでいくのか。
それとも、疑い深く、怒りっぽく、疲れた人間になってしまうのか。

風地観 五爻は、そこを見なさいと告げています。

大切なのは、すぐに辞めるか残るかを決めることではありません。

まず、観ることです。

組織を見る。
上に立つ人の器を見る。
評価制度を見る。
人が育つ土壌があるかを見る。
そして、自分自身を見る。

自分はこの場所で、何を学び終えたのか。
自分はこれ以上、ここで何を守ろうとしているのか。
自分の怒りの奥に、本当はどんな願いがあるのか。

おそらく相談者の怒りの奥には、
「人はもっと大切に育てられるべきだ」
という深い願いがあります。

それは、とても健全な怒りです。

人を育てず、競わせ、疲弊させ、最後に個人の資質だけを裁く組織に対して、違和感を持つのは当然です。

ただし、その怒りに呑まれてしまうと、自分までその組織の粗さに染まってしまいます。

だからこそ、風地観 五爻は、
怒りを一段高い視座へ引き上げよ、と告げているのです。

あなたは、その組織の限界を見た。
ならば次は、自分がどんな場所で、どんな人たちと、どんな働き方をしていきたいのかを見つめる時です。

人を競わせる場所ではなく、人が育つ場所へ。
人を裁く場所ではなく、人の可能性を引き出す場所へ。
個人の能力だけに頼る場所ではなく、智慧と仕組みで支え合う場所へ。

その方向へ、静かに舵を切ってよいのです。

風地観 五爻は、逃げろとは言っていません。
しかし、見て見ぬふりをせよとも言っていません。

よく観なさい。
そして、自分の生き方に恥じない選択をしなさい。

これが、この卦の告げるところです。

あなたの絶望は、弱さではありません。
それは、人を育てない組織の限界を見抜いた眼差しです。
けれども、その絶望の中に住み続けてはいけません。
高いところから観てください。
そして、自分の心が濁らない場所へ、少しずつ身を移していく準備を始めてください。

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